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Jリーグの理念を体現している清水エスパルス

清水エスパルスは非常に珍しい成り立ちのチームです。というのは、Jリーグ発足までに母体となるチームが事実上存在していなかったのです。

他のチームは、もともと日本サッカーリーグに参加していた社会人チームが母体だったのですが、エスパルスの場合、日本でもっともサッカーが盛んな静岡県清水市に本拠地を持つJリーグのチームを作ろうということで、地元出身の選手たちを集めて作られたのです。

澤登正朗、三都主アレサンドロ、岡崎慎司など日本代表選手を輩出し、地元の人に愛され、Jリーグの創設理念を体現しているような名門チームで、1996年はナビスコカップ優勝、1999年にはJ1リーグのセカンドステージを制覇、2001年には天皇杯制覇と、国内の三冠と呼ばれるタイトルをすべて獲得し、同じく静岡に本拠地を持つジュビロ磐田との静岡ダービーは、国内でもっとも盛り上がるダービーの一つとして知られています。

しかし、チームのOBだった長谷川健太が監督から退任後、岡崎慎司を始めとする主力選手が他チームに続々と流出し、戦力が徐々にダウン。とうとう2015年に降格が決定してしまいました。

エスパルスはチーム創設後、初めての降格です。今後、名門チームの巻き返しが期待されます。